お墓に彫る文字ってどんな文字がいいのかしら?彫ってはいけない文字などはあるの?
お墓にはどんな文字を彫っても問題ありません。
お墓に彫る文字に制限やルールなどはないためです。
しかし、お墓に文字を彫る際の注意点は存在します。
本記事では、お墓の文字に関する基礎知識や文字を彫る際の注意点、お墓に刻むおすすめの言葉などについて解説していきます。
- お墓の文字に関する6つの基礎知識
- お墓の文字入れに関する3つの注意点
- 墓石に刻むおすすめの言葉3選【種類別】
この記事を読めば、自分がお墓に彫りたい文字をはっきりとイメージでき、お墓に彫る文字を決められるでしょう。
「お墓に彫る文字で失敗したくない…」という方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
石一筋135年の石材店が次世代に思いを継ぐ墓づくりを提案
創業135年(2023年現在)、北海道を代表する石材店として滝川市で歴史を刻み「お墓は人生の物語」をテーマに墓石デザインプロデューサーとして、大切な人の想いを未来の家族に届けるお墓づくりを目指します。
お墓に刻む文字に法的なルールは無い
漢字、ひらがな、英語など、お墓にはどんな文字でも彫刻可能です。
書体や色も自由に決められます。
また、彫刻できるのは文字だけでなく、石材店によってはイラストの彫刻も可能です。
そのため、複数の石材店を比較してみるのもいいでしょう。
ただ、彫刻の自由度が高すぎて何を彫ろうか迷ってしまう方もいるかもしれません。
おすすめの文字や一般的によく彫られる文字などを知りたい方は、石材店に尋ねてみてください。
山崎石材工業でも、お墓に彫る文字についてのご相談を承ってます。お気軽にご連絡ください。
お墓に文字をいれる理由は故人を忘れないため
お墓に彫る文字には役割があり、大きく以下の3つです。
- 感謝の気持ちを伝える
- 故人を確認、認識する
- 訪問者へのメッセージ
お墓の文字は、故人に対して感謝の気持ちを伝えるための役割があります。
また、名前や生年月日、命日などの情報から、その人のお墓と認識するという役割も持ちます。
お墓の文字が、訪問者へのメッセージになっているケースもあるでしょう。
故人の教えや言葉などが刻まれ、家族・親族との思い出や感情を表現する役割を持ちます。
役割は様々ですが、お墓に文字を彫る理由は故人を忘れないようにするためなのです。
お墓の文字に関する6つの基礎知識
こちらでは、お墓の文字に関する6つの基礎知識についてご紹介します。
文字の色や彫るタイミングなど、これからお墓に文字を入れようと考えている方が知っておくべき内容です。
ぜひ参考にしてみてください。
1.墓石に彫ってはいけない文字はない
墓石に彫ってはいけない文字はありませんが、彫らないほうが好ましい文字はあります。
例えば、「愛」という文字です。
「愛」は仏教では愛欲という欲を表す言葉で、あまりよくない意味と考えられています。
語源をたどると、彫るのを避けたほうがいい文字があるのです。
ただ、一番大切なのは、故人を想ってどんな言葉を選択するかです。
自分の宗派のお坊さんや家族と相談して、お墓に最適な文字を選んでみてください。
2.お墓の場所によって最適な彫刻がある
お墓の文字は彫る場所によって最適な彫刻があり、それは以下のとおりです。
彫る場所 | 最適な彫刻 |
---|---|
棹石の正面 | お墓に彫りたいメインの文字 |
棹石の側面又は裏面 | 建立者の名前と建てた日付 |
棹石の下にある上台 | 家紋や「〇〇家」という文字 |
墓誌 | 故人の名前、年齢、没日、戒名(ある方のみ) |
水鉢 | 家紋 |
花立て | イラスト |
参道 | イラスト |
棹石の正面には、故人へのメッセージとなる言葉や、家名、デザインなどを彫ります。
棹石の側面又は裏面については、発注した本人やその家族の名前を彫る方もいます。
また、地域によっては建立者の名前を必ず彫るというルールもあるので注意しましょう。
墓誌とは、お墓の左右にある石の板を指し、宗派によっては法名碑(ほうみょうひ)や霊標(れいひょう)と呼ばれます。
花立てに彫るイラストは、なかなかお墓参りに行けず生花を供える頻度の少ない方が、花のイラストを彫るケースが多いです。
参道はお墓の通路にあたる部分を指します。
イラストを彫ると雨の日には滑り止めの役割も果たすので、安全性を考慮したい方におすすめです。
デザイン彫刻は桜が人気
デザインの彫刻は桜をはじめ、バラや桔梗などの花が人気です。
その他にも、故人が好きだった花や庭で育てていた花など、思い出の花を彫る方もいます。
動物の彫刻も可能で、最近は白い小鳥のシマエナガを彫る方が増えてきています。
犬や猫など故人が飼っていたペットがいれば、それを彫刻するのもいいでしょう。
3.文字の色は石の種類よって使い分ける
文字色については墓石の色を考慮して選ぶのがおすすめです。
白い墓石の場合、黒墨の文字がよく目立つでしょう。
一方、黒い墓石に色をいれるなら、白や銀の墨だと文字が際立ちます。
しかし、黒い墓石におすすめしたいのは素彫りです。
素彫りの場合塗料を使用しないので、将来文字が剥げてくる心配がありません。
メンテナンス不要のため、お墓参りにあまり来れない方でも安心なのです。
メンテナンスの手間を省きたい、落ち着いた雰囲気のお墓にしたいという方には素彫りをおすすめします。
メンテナンスが必要でも目立つ文字にしたい方や、華やかな雰囲気にしたい方は色のついた文字でもいいでしょう。
4.お墓の文字は消せるがおすすめしない
お墓の文字の修正や消去は、余分な費用と時間がかかってしまうためおすすめはできません。
お墓の文字の修正や消去には下記2つの方法があります。
- 文字を削って埋める
- パテを使って文字を埋める
パテを使って文字を埋める方法は数年で劣化してしまうという欠点があります。
後々のメンテナンスも考慮すると、文字を削って埋める方法がいいでしょう。
文字を削って埋める場合の費用は条件次第ですが、最低でも15万円ぐらいは必要です。
また、取り外した墓石の表面を工場で研磨した後、改めて文字を彫って再据付という工程をたどるため、時間も要します。
一番初めに文字を彫る際、何を彫刻するかは慎重に選びましょう。
補足:墓石を削って新しく文字を掘り起こす方法もある
お墓の文字を消す手段として、文字すべてを削って石を磨き直す方法もあります。
墓石は無垢材なので、磨き直せば新品同様に戻るのです。
ただし、文字のサイズが大きいと、彫が深く、調整加工が必要になる場合があります。
文字すべてを削って石を磨き直すため、墓石のサイズダウンを心配される方もいますが、気にならない程度に仕上がるケースがほとんどです。
5.後から彫刻を追加できる
お墓の彫刻は後から追加も可能で、費用相場は一霊様につき、3万円後半〜5万円台ぐらいが一般的です。
ただし、以下にとりあげた要素などによって金額は変動します。
- 彫刻する位置
- 戒名などを彫刻する人数
- 模様の有無やデザインの複雑さ
注文の内容次第では、相場を大きく超えてしまうケースも考えられます。
何にどれだけの費用がかかっているか把握するために、石材店に事前に見積もりをとるようにしましょう。
また、霊園や墓地によっては、石材店が追加彫りに必要な機材や道具の持ち込みを禁止しているケースがあります。
その場合、霊園や墓地の外に墓石を運ぶ運搬費用や、墓石の再据付などの追加費用が発生します。
霊園や墓地にも事前に確認をとっておくのがベストです。
QRコードを刻印してネット墓が利用可能
お墓にQRコードを刻印し、ネット墓を利用するのもおすすめです。
QRコードをスマートフォンなどで読み取れば、故人の写真データなどの想い出をいつでも振り返れます。
お墓参りの際、遺族間で故人の想い出話をするきっかけになるなど、より故人を身近に感じられるでしょう。
また、データはネット上に永遠に残ります。
セキュリテイ対策がきちんと行われているサービスであれば、半永久的に使用が可能です。
ネット墓である「雲のものがたり」は、今のお墓に故人との思い出を追加するサービスです。ぜひ、一度ご覧になってください。
6.お墓に文字を彫るタイミングはいつでも良い
お墓に文字を彫るタイミングに厳格なルールはありません。
しかし、故人が亡くなってから納骨式までに文字を彫っておくのが一般的です。
文字を彫る際は、石材店に依頼します。
現代は機材も進歩しており現場彫刻が可能ですが、その場合でも最低3週間前後の期間が必要です。
また、天候次第では工事作業ができなかったり、現場工事が霊園や墓地の規定に違反してないかなども考慮する必要があります。
工事期間は多めに見積もって、1ヶ月ぐらいは見ておいたほうが安心でしょう。
特に、四十九日で納骨を行おうと考えている場合、期間にあまり余裕がありませんので、石材店への早めの連絡をおすすめします。
お墓の文字入れに関する3つの注意点
お墓の文字入れに関する3つの注意点は以下のとおりです。
- 彫刻のルールはないが著作権侵害に気をつける
- 「儚い」など不快に感じる文字は使わない
- 施設によって刻む文字が決められているケースがある
順番に解説していきます。
彫刻のルールはないが著作権侵害に気をつける
自由に文字を彫る場合は特にですが、著作権侵害に注意が必要です。
例えば、故人が好きだった歌手の歌の歌詞や本のタイトルなどがあげられます。
無断で使用すると、最悪の場合起訴される可能性もあります。
著作権がある言葉をどうしても使いたい場合は、著作権者に許可を取らなくてはなりません。
歌詞や本のタイトルであれば、出版社や発行元に著作権者を問い合わせるといいでしょう。
「儚い」など不快に感じる文字は使わない
見た人が不快に感じてしまう文字の彫刻も避けるべきでしょう。
一例としては下記のとおりです。
- 儚い(はかない)
- 落ちる
- 失う
- 閉じる
- 終わる
- 泡沫(うたかた)
見る人や見方によっては、必ずしもネガティブな意味ではない文字もあります。
しかし、不快に感じる可能性のある文字は避けるのがベストです。
お墓に彫る文字は、自身の想いだけでなく、故人やお墓参りに訪れる人たちへの配慮も必要です。
自分の彫りたい文字に不安のある方は、親族や石材店とよく相談の上、慎重に文字選びをしましょう。
施設によって刻む文字が決められているケースがある
施設によっては、お墓に刻む文字が決められているケースもあるので注意が必要です。
特に、民間で運営している民営霊園や、寺院が運営している寺院墓地ではお墓の文字にきまりを設けている場合があります。
そのため、彫りたい文字がある場合は、お墓を建てる場所とルールを事前に確認しなければいけません。
ご自身のイメージや、故人の想いを反映した文字が彫れないと後悔が残ってしまいます。
お墓を建てる場所とルールは、お墓を準備する前にきちんと把握しておきましょう。
墓石に刻むおすすめの言葉3選【種類別】
墓石に刻むおすすめの言葉3選は以下のとおりです。
- 和型墓石は「何々家之墓」
- 洋型の墓石は「何々家」
- デザイン墓石は「1文字〜3文字」が主流
ひとつずつ説明していきます。
和型墓石は「何々家之墓」
和型の墓石に彫刻されるパターンとして多いのは以下のとおりです。
- 〇〇家之墓
- 〇〇家先祖代々之墓
- 〇〇家
これらの文字は宗派に関わらず広く使用されるので、他の人のお墓でもよく見かけるのではないでしょうか。
自分の家のお墓とすぐに認識できて、家のつながりも感じられるベーシックな文字なのでおすすめです。
また、和型墓石の場合、宗派のお題目を彫るケースも一般的です。
周りのお墓がどのような文字を彫っているかを参考にしながら、家族と話しあって彫刻する文字を決めましょう。
宗派別のお題目
宗派別のお題目でおすすめな彫刻は以下のとおりです。
宗派 | お題目 |
---|---|
浄土宗、浄土真宗、天台宗 | 南無阿弥陀佛(なむあみだぶつ) |
日蓮宗 | 南無妙法蓮華経(なむみょうほうれんげきょう) |
臨済宗、曹洞宗 | 南無釈迦牟尼佛(なむしゃかむにぶつ) |
真言宗 | 南無大師遍照金剛(なむだいしへんじょうこんごう) |
南無阿弥陀佛や南無妙法蓮華経は、聞きなじみのある方も多いでしょう。
「南無」は、古代インドの言葉であるサンスクリットの「ナマス」を漢訳したもので、信じて敬うという意味を持ちます。
宗派ごとに信じ敬う対象が異なり、それが阿弥陀仏であったり、法華経という経典であったりするのです。
ちなみに、釈迦牟尼佛はお釈迦様、大師遍照金剛は真言宗の宗祖の空海を指します。
洋型の墓石は「何々家」
洋型墓石に彫る文字として最も一般的なのは「〇〇家」という文字になります。
こちらは和型墓石と共通ですが、無難な選択をしたい方にはおすすめです。
洋型墓石は文字を彫る際の自由度も高く、漢字1文字や四字熟語、言葉やイラストをいれるケースなどもあります。
具体例としては、「和」や「ありがとう」という言葉が、最近だと人気で増えてきています。
お墓に彫る文字はご先祖様や家族に向けてのメッセージなど、人によって様々です。
誰にどんな言葉を届けたいか考えて、彫る文字を決めるのがいいでしょう。
デザイン墓石は「1文字〜3文字」が主流
デザイン墓石に彫る文字は1〜3文字程度が一般的です。
洋型墓石と同じで自由度が高く、漢字のみ、ひらがなのみ、ひらがなと漢字、四字熟語、英語など、様々な選択肢があります。
一例としては下記のとおりです。
文字のパターン | 彫る文字の例 |
---|---|
漢字1文字 | 想、心、祈 |
漢字2文字 | 希望、感謝、永遠 |
ひらがな | こころ、ありがとう、やすらかに |
ひらがなと漢字 | 心やすらかに、ここに眠る、旅立ち |
四字熟語 | 一期一会、花鳥風月、倶会一処(くえいっしょ) |
英語 | Love、Dream、Thank you |
四字熟語の倶会一処とは、亡くなった人はみな一つの浄土で菩薩様に出会えるという意味を表します。
浄土真宗でよく使われる言葉です。
既存のお墓に文字を彫る3ステップ
既にあるお墓に文字を彫るには、下記3つのステップで進めていきましょう。
墓地や霊園によっては、指定の石材店でしか施工できないケースもあります。
必ず施設への事前確認をしましょう。
具体的に彫る文字やイラストを決めます。
極力後で修正が発生しないよう、家族や石材店と相談して慎重に決めるのが大切です。
最後に文字を彫刻する施工日を決めます。
施工の際のルールなどがあるか、改めて施設に確認しておくのがおすすめです。
納骨式に間に合うように、あらかじめ余裕のあるスケジュールを組んでおきましょう。
まとめ
今回は、お墓の文字に関する基礎知識や文字を彫る際の注意点、お墓に刻むおすすめの言葉などについて解説していきました。
お墓に彫ってはいけない文字はありません。
しかし、文字を彫る際の注意点はいくつかあり、それは以下のとおりでした。
- 彫刻のルールはないが著作権侵害に気をつける
- 「儚い」など不快に感じる文字は使わない
- 施設によって刻む文字が決められているケースがある
また、お墓に刻むおすすめの言葉は以下のとおりです。
- 和型墓石は「何々家之墓」
- 洋型の墓石は「何々家」
- デザイン墓石は「1文字〜3文字」が主流
お墓に彫る文字は、自身の想いだけでなく、故人の想いやお墓参りにくる人の想い、家族のつながりなども考えられるとベストです。
家族や石材店とよく話し合って、後悔のない文字選びをしてくださいね。
山崎石材工業では、無料にてお墓のことをご相談いただけます。もし、お墓の文字に関するお悩みがあればお気軽にご相談ください。