お墓掃除でやってはいけない行為って、何かあるのかしら?
お墓掃除では、硬すぎるもので墓石をこすったり、家庭用の洗剤を使ってはいけません。
これらの行為は、墓石を傷つけてしまう恐れがあるためです。
濡らしたタオルやスポンジで水拭きする程度で、お墓は十分きれいになります。
今回は、お墓掃除でやってはいけない行為と、ひとりでもできるお墓掃除の方法について解説します。
- お墓掃除で絶対にやってはいけない3つの行為
- 【ひとりでもできる】プロ直伝お墓の正しい掃除の4つの手順
- 掃除に必要なアイテム6選
本記事をご一読いただければ、正しいお墓掃除の方法が身につき、お墓を長期間きれいな状態で保てるようになるでしょう。
間違ったお墓掃除は、墓石にシミや傷をつくる原因になります。正しいお墓掃除の方法を身につけたい方はぜひ最後までお読みください。
石一筋135年の石材店が次世代に思いを継ぐ墓づくりを提案
創業135年(2023年現在)、北海道を代表する石材店として滝川市で歴史を刻み「お墓は人生の物語」をテーマに墓石デザインプロデューサーとして、大切な人の想いを未来の家族に届けるお墓づくりを目指します。
お墓掃除で絶対にやってはいけない3つの行為
こちらでは、お墓掃除でやってはいけない行為について具体的に説明していきます。
知らないと、ついやってしまいがちな行為も含まれていますので、必ずチェックしてください。
また、お墓掃除と同様、お供え物についてもNG行為やマナーがあります。
お墓参りの際に困らないように、お供え物についても事前に確認しておきましょう。
金属製や通常のタワシで墓石をこする
金属製や通常のタワシで墓石をこするのは、墓石を傷つけてしまいますので、絶対に使用しないでください。
光沢がなくなったり、カビやサビの原因になります。
墓石の掃除は、通常は水洗いをすれば十分です。
墓石に水をかけて、スポンジや雑巾、タオルなどのやわらかいもので磨いてください。
なかなか落ちない頑固な汚れに関しては、ナイロン性のブラシや軍手を使用しましょう。
ブラシの毛先や軍手をした指先で磨けば、汚れが落ちる場合があります。
水洗いした後は、柔らかいタオルなどで乾拭きするのも忘れずに行いましょう。
激落ちくんやメラミンスポンジの使用はおすすめしない
激落ちくんやメラミンスポンジをお墓に使用するのも避けましょう。
激落ちくんやメラミンスポンジは、研磨力が非常に高く、お墓のコーティングを落としたり、表面に小さな傷をつける可能性があります。
汚れ自体はとても落ちるのですが、同時に細かな傷をつけてしまうのです。
この傷に汚れが入りこんでしまうと、なかなか落ちにくく、後々苦労してしまいます。
頑固な汚れをつくらないためには、定期的にお墓を掃除するのが大切です。
可能であれば、スポンジや雑巾、ブラシなどを使った水洗いを、月1回程度の頻度で行いましょう。
墓石専用の洗剤以外を使用する
家庭で使う食器用洗剤など、石材用の洗剤以外を使ってはいけません。
石材用の洗剤以外は洗浄力が高すぎるため、墓石が傷ついたり、シミや変色の原因になってしまうからです。
また、石材用の洗剤でも、汚れや石材の種類によって適したものが異なるので、ご自身のお墓に最適なものを選ばなければいけません。
洗剤選びに失敗してしまうと、これもまた、傷やシミ、変色の原因になってしまいます。
そのため、やはり基本的には水洗いで、やわらかい素材のもので墓石を磨くようにしましょう。
水洗いで落ちない汚れが多い場合、お墓掃除の頻度が低い可能性があります。
定期的にお墓掃除に来れているかも、改めて確認してみてください。
暗くなってからお墓掃除する
夜にお墓掃除を行うのも、いくつかのリスクがあるため、やめましょう。
主に考えられるリスクは以下のとおりです。
- お墓の汚れが見えにくい
- 掃除してもお墓がきれいになったか確認しにくい
- 住職や管理人の方の迷惑になる
- 段差などで転倒するリスクがある
暗くなってからのお墓掃除は、そもそもどこが汚れているか、わからない可能性があります。
掃除をしても、正しく汚れが落とせているかわからず、必要以上にこすってしまうなどのリスクも考えられるでしょう。
また、霊園によっては閉園時間が決まっている場所もありますので、夜間の入場はおすすめしません。
単純に、辺りが暗いと段差などで転倒して、怪我をする原因にもなります。
夜間のお墓掃除にはリスクが多いです。
仮にいつでも入場できるお墓の場合でも、必ず日中に行くようにしましょう。
【ひとりでもできる】プロ直伝お墓の正しい掃除の4つの手順
正しいお墓掃除は、下記4つのステップをふんでださい。
こちらのステップどおりに、正しい頻度で行えば、お墓を長期間きれいに保てます。
前回のお墓参りの時に供えた、枯れたお花や、燃え残りの蝋燭、線香もこのタイミングで捨ててしまいましょう。
また、お墓に植木がある場合は、不要な部分を剪定する作業も同時に行います。
水と雑巾やスポンジ、歯ブラシなどを使用してお墓本体を掃除していきます。
汚れが落ちてきますので、お墓の上から下に向かって掃除するようにしましょう。
細かい溝や凹凸、文字の彫刻部分などは、歯ブラシに水をつけてこすると掃除しやすいです。
線香皿や花筒などの小物も掃除していきます。
歯ブラシや柄のついたスポンジがあると、隅々まできれいに掃除できるので便利です。
水を使って掃除した部分を、乾いたタオルなどのやわらかい布で乾拭きします。
濡れたまま放置すると苔やカビ、水垢の原因になりますので、乾拭きも必ず行いましょう。
黒御影石などは、最終仕上げに車のワックスふき取り用の布巾等を使うと、きれいに光沢が出るためおすすめですよ。
お墓掃除をプロに依頼するのも検討しよう
周りに頼れる親戚の方がいなかったり、体力的に辛い方などは、お墓掃除をプロの業者に依頼するのがおすすめです。
プロの業者に依頼すると、自力では落としきれないお墓の汚れも落とせる場合があります。
石材の継ぎ目によくできる水垢除去に関しては、プロに依頼するのがおすすめです。
美装職人の方が使う、平たいカッターなどを利用するときれいに取れますが、慣れとコツが必要になります。
失敗すると目地コーキング等に傷をつけたり、石材によっては傷が入るので、水垢除去はプロにお願いしましょう。
山崎石材工業でも、お墓掃除の代行を承っておりますので、お気軽にご相談ください。
また、そもそもお墓参り自体がだんだん辛くなってきたという方には、ネット墓もおすすめです。
ネット墓とは、インターネット上に設置する仮想的な墓地を指します。
ネット墓を利用すれば、自宅にいたまま故人の供養が可能です。
体力的にお墓参りが厳しい方は、ぜひネット墓も検討してみてください。
掃除に必要なアイテム6選
お墓掃除に必要なアイテム6選は以下のとおりです。
- 手を汚れから守る軍手
- お墓周りの落ち葉を集めるほうき
- 集めたものを捨てるためのゴミ袋
- 水を汲むための桶
- 墓石の苔を落とすための柔らかいスポンジ
- 水気を拭き取るためのタオル
ひとつずつ説明していきます。
1.手を汚れから守る軍手
お墓を掃除するときは、お墓本体以外にも、落ち葉を拾ったり、雑草を抜いたりするケースもあるでしょう。
その際、軍手があると手を汚さずに済みます。
また、お墓の表面に付着している苔などは、水かけて、軍手をした指でこするだけで十分に落とせます。
同じ方法で、文字の彫刻部分も、指が入るところであればきれいに掃除できるでしょう。
薄手でゴムコーティングされている軍手が使いやすく、おすすめです。
軍手は手を汚れから守りつつ、お墓の汚れを落とすアイテムとして優秀なので活用しましょう。
2.お墓周りの落ち葉を集めるほうき
お墓周りの落ち葉やゴミを一気にかき集めるには、ほうきがあると便利です。
ちりとりもあると、捨てるときに楽なので、なおいいでしょう。
地面が石やタイルではなく土の場合は、ほうきよりも熊手のほうが使いやすいです。
ご自身のお墓の環境によって、何を持参するか決めるのがおすすめです。
また、施設によっては、掃除道具の一部を置いているところもあります。
持ち物を減らすためにも、事前に施設で借りられる道具は確認しておきましょう。
3.集めたものを捨てるためのゴミ袋
枯葉や雑草を入れるためのゴミ袋も用意しましょう。
枯葉や雑草以外にも、前回来たときの線香の燃え残りや枯れたお花など、処分するものは意外と多いです。
ゴミ箱を設置していない施設では、ゴミは持ち帰るしかありませんので、ゴミ袋の持参は必須でしょう。
ゴミ箱を設置している施設でも、大量のゴミを捨てるのは避けてください。
他の方が利用できなくなってしまいますし、大量のゴミであふれかえっているゴミ箱は、霊園の景観を損ねてしまいます。
多くの人が共同で使っているという意識を忘れずに、施設を利用しましょう。
4.水を汲むための桶
既に説明したとおり、お墓掃除は基本的に水洗いとなるため、水を汲むための桶やバケツが必要です。
桶は柄杓とともに施設に置いてあるケースもあります。
しかし、お彼岸やお盆など、多くの方がお墓参りに来るタイミングでは、自由に使えない場合もあるでしょう。
また、掃除用の水とお供え用の水は、本来分けるのがマナーです。
そのため、桶かバケツが2つあるのがベストと言えます。
掃除用とお供え用で1回ずつ水を汲み直してもいいですが、手間になってしまうでしょう。
可能であれば、桶かバケツを1つはご自身で用意しておくのがおすすめです。
5.墓石の苔を落とすための柔らかいスポンジ
苔や汚れを落とすには、墓石を傷つけない柔らかいスポンジを使用しましょう。
既に説明しましたが、水をかけて、軍手をつけた指でこするだけでも、苔や汚れは十分除去できます。
指でこすった箇所の仕上げや、表面積の大きい部分にスポンジを使用するのがおすすめです。
また、指やスポンジが入りにくい隙間や彫刻部分は、歯ブラシなどを使用するのも効果的でしょう。
スポンジや歯ブラシを使用しても落ちない苔に関しては、石材用洗剤を使用してみてください。
石材用洗剤を使用しても苔が落ちない場合は、こすりすぎず、プロの業者に任せるのも検討しましょう。
花筒の掃除には、底まで届く、柄のついたスポンジがあると便利です。
6.水気を拭き取るためのタオル
お墓を水洗いした後に、乾拭きするためのタオルもあると便利です。
水洗いの際、苔や汚れを落とすのにタオルを使用する場合は、それとは別に用意しましょう。
水洗い後に水気を拭き取らないと、新たな苔やカビ、水垢の原因になります。
次に来たときのお墓掃除が楽になりますし、お墓を長くきれいに保つためにも、乾拭きは大切です。
水気のある箇所が残らないように、しっかりと拭き取りましょう。
必須ではないがあると便利なアイテム2つ
お墓掃除にあると便利なアイテムは下記の2つです。
- 剪定バサミ
- 石材用洗剤
伸びた枝を切るための剪定バサミは、ご自身のお墓の環境次第では必要になるでしょう。
また、石材用洗剤に関しては、1年以上お墓の掃除ができていない場合は、持参するのをおすすめします。
ただ、既に説明したとおり、ご自身の墓石の種類をしっかりと確認し、それに合った洗剤を使用するのが大切です。
シミや変色を防ぐため、事前にしっかりと確認しましょう。
まとめ
今回は、お墓掃除でやってはいけない行為と、ひとりでもできるお墓掃除の方法について説明しました。
お墓掃除でやってはいけない3つの行為は以下のとおりです。
- 金属製や通常のタワシで墓石をこする
- 墓石専用の洗剤以外を使用する
- 暗くなってからお墓掃除する
また、ひとりでもできる正しいお墓掃除の4つの手順は下記のとおりでした。
- 敷地内の落ち葉やゴミを箒で集める
- お墓の苔や汚れをスポンジなどで擦り落とす
- 線香皿などの小物は水洗いする
- 水分を拭き取ろう
お墓掃除の基本はあくまでも水洗いです。
どうしても落ちない汚れがある場合のみ、石材用洗剤を使用しましょう。
石材用洗剤を使用しても落ちない汚れは、プロの業者への相談も検討してみてください。
山崎石材工業では、無料にてお墓のことをご相談いただけます。もし、お墓掃除に関してお悩みがあればお気軽にご相談ください。