夫と同じ墓に入りたくないけど、そんなことできるのかしら。
近年、夫婦で別々のお墓に入りたいというニーズは増えており、「夫と同じお墓は嫌だ」「死んだ後は実家のお墓に入りたい」というお声もよく聞きます。
実際には、夫婦で別々のお墓に入られている方もたくさんいらっしゃいます。
そこで本記事では、夫婦で別のお墓に入るために必要な準備や、注意点についてわかりやすく解説をしていきます。
- 夫婦で別々のお墓に入ることはできる
- 夫婦で別々のお墓に入るために準備すること
- 夫婦でお墓を別々にする際の注意点
夫婦で別々のお墓に入ることを検討している方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
お墓の継承問題は、終活の中でも2番目に多いお悩みです。お墓の問題を一緒に解決していきましょう。
石一筋135年の石材店が次世代に思いを継ぐ墓づくりを提案
創業135年(2023年現在)、北海道を代表する石材店として滝川市で歴史を刻み「お墓は人生の物語」をテーマに墓石デザインプロデューサーとして、大切な人の想いを未来の家族に届けるお墓づくりを目指します。
夫婦で別々のお墓に入ることはできる
夫や夫の家のお墓に入らなければならないという決まりはありません。
夫と同じ墓に入るというのは昔からの慣習で行われているもので、そのような法律は存在しないのです。
遺骨については、埋葬に関する法律が定められているため、守る必要がありますが、基本的には、場所を問わずどこのお墓に入ってもいいのです。
【事実】妻の3人に1人は夫と同じお墓に入りたくない
実際にどれくらいの割合の人が夫婦で別々のお墓に入っているのでしょうか。
保険クリニックが30〜60際の既婚者のうち帰省の予定がある500人(男性、女性それぞれ250名ずつ)に実施した「帰省やお墓・終活についてアンケート調査」によると、女性の3人に1人は夫と同じお墓に入りたくないと回答しています。
回答内容としては、「義父母と一緒だから」「死んでまで一緒は嫌」といった意見が上位を占めています。
一方、男性は7人に1人が一緒に入りたくないと回答しています。
夫婦で別々のお墓に入るために準備すること
夫と別のお墓に入るためにやるべきこと、検討すべきことは次の4つです。
- 生前に夫婦、関係者で話し合う
- 離婚を検討する
- 自分のお墓を用意する
- 散骨を行う
いずれの内容も生前に検討しなければならない大切なことです。それでは、順番に見ていきましょう。
生前に夫婦、関係者で話し合う
夫と別のお墓に入りたい場合は、夫や子ども、あとはお墓の権利者とも事前に話し合いをしておきましょう。
お墓は自分自身が管理をすることはできません。管理をするのは、子どもや親族の方々です。
自分の一任ですべてを決めることはできません。また、仮に自分の実家のお墓だとしても、お墓の権利者の了承が得られないと入ることはできませんので覚えておきましょう。
死後のことはすべて、残された家族や関係者が行うことですので、自身の葬儀後に希望するお墓に入れてもらえるように十分、話をしておくことが大切です。
離婚を検討する
夫婦で別々のお墓に入りたい場合は、死後離婚や、熟年離婚を検討するのもよいでしょう。
「死後離婚」とは、役所に姻族関係終了届を提出することで、死別した配偶者の血族(義理の父母や兄弟姉妹など)との間の姻族関係を終了させることをいいます。
事前に、離婚手続きを行うことで別々のお墓になる可能性は高まります。
なお、姻族関係終了届は提出後に取り消しをすることはできませんので、十分に注意しましょう。
自分のお墓を用意する
納骨先が決まっていない場合やご遺族の負担を減らしたいと考えている場合は、自分でお墓を購入するのを検討してみてください。
とくにお墓を引き継ぐ人がいない場合には、遺族に代わって霊園や寺院が供養を行ってくれる「永代供養墓」があります。
永代という言葉がついていますが、永遠にお墓の管理をしてくれるのではなく、期限が設けられているのが一般的です。
管理の期限は、17回忌、33回忌、50回忌とさまざまです。また、供養の期限が終わった後の対応についても施設ごとに異なりますので、事前に確認をするようにしましょう。
永代供養墓は、一般的な墓石よりも価格が抑えられていますので、お墓の費用負担を減らしたい人におすすめです。
散骨を行う
散骨とは、ご遺体を海や山、または自宅の庭など、故人が生前愛していた場所に遺骨を撒く供養方法です。
これにより、故人が好きだった場所に永遠に存在するという思いを形にすることができます。
ただし、散骨は法律や地方自治体の規制により、どこでも自由に行えるわけではありませんので、行う場合は事前に確認が必要です。
散骨は、跡継ぎがいなくても契約でき、遺骨のすべてを散骨した場合、お墓や納骨堂などの費用もかかりませんので、経済的なメリットもあります。
夫婦でお墓を別々にする際の注意点
夫と別々のお墓に入る際には事前に知っておくべき内容もあります。
ここからは、夫婦別墓の注意点について解説をしてきます。
遺族へ負担がかかる
お墓を分けると遺族の負担が増えることを忘れてはいけません。
夫婦で別々のお墓に入るということは、遺族の視点から考えるとお墓が2つになるということです。
それぞれのお墓が同じ敷地内にあるならまだしも、離れた場所にあると管理や維持費において遺族に負担がかかってしまいます。
そうならないためにも子どもたちや親族、ご友人も別々のお墓になることを伝え、理解を得ることが大事になってきます。
お墓の購入費用がかかる
お墓を購入するときには、いくつかの費用が発生します。
まず、墓地の購入費用が必要で、これはお墓を建てる土地の価格です。場所によって価格は大きく異なります。都市部では高く、田舎では安くなる傾向があります。
次に、墓石や墓碑の費用が必要です。これらはお墓の形やデザイン、使用する素材によって価格が変わります。さらに、名前を刻む彫刻費用も必要です。
また、お墓を設置するための施工費用もかかってきます。これには、墓石を設置するための作業費や、墓地を整備するための費用が含まれます。
最後に、永代使用料というお墓をずっと使い続けるための費用が発生します。これは一定の期間ごとに支払うことが多いです。
これらの費用を合計すると、お墓の総額が決まります。相場としては、25万円〜200万円の範囲になります。これらの費用を考慮に入れ、予算に合ったお墓を選ぶことが大切です。
ここで費用の負担を抑えたい方は、先程ご紹介した永代供養墓などを検討してみてください。
夫婦別墓に関するよくある質問
最後に、夫婦別墓に関するよくある質問をご紹介してきます。山崎石材工業でも多くのお問い合わせをいただいているものをご紹介していきますね。
遺言に書いておけば大丈夫ですか?
遺言書に「夫の墓に入れずに、実家の墓に入れて欲しい」と残したとしても、遺族が遺言書どおりにするとは限りません。
なぜなら、納骨先は遺言書の内容によって法的に効力をもたせることができないからです。希望のお墓に入るためには、生前にご家族と取り決めを行っておきましょう。
お墓を建てるのにどれくらいの期間が必要ですか?
お問い合わせをいただいてからお墓ができるまでは、2〜3か月程度かかります。 時期や建てるお墓の種類によっても異なってきますので、詳細はお近くの石材店、霊園へお問い合わせください。
お墓の後継ぎがいないのですが。
跡継ぎがいない場合は、永代供養墓や共同墓という選択肢があります。
永代供養墓とは、遺族に代わって霊園や寺院が供養を行ってくれるお墓のことです。
お子様がいらっしゃらないご夫婦や将来的に継承者がいなくなる場合は、永代供養墓への改葬を検討される場合が多いです。
また共同墓とは、地域によって共同で管理・運営されているお墓のことです。合祀墓、合葬墓とも呼ばれる場合があります。
まとめ
今回は、夫婦で別々のお墓に入る方法についてご紹介させていただきました。
夫と別のお墓に入るために検討するべき内容は以下のとおりです。
- 生前に夫婦、関係者で話し合う
- 離婚を検討する
- 自分のお墓を用意する
- 散骨を行う
今回のようなお墓の問題は、さまざまな要因や法律に関する内容が複雑に絡んでいる場合も少なくありません。
ご自身で調べるのもとても大切ですが、専門家の知識を借りることで安心してお墓選びをすることもできます。
山崎石材工業では、無料でご相談いただけます。些細なことでも構いませんので、まずはお気軽にご連絡くださいませ。