お墓じまいって実際どんなことをするのかしら。自分たちにとって本当に必要なの?
お墓じまいとは、お墓そのものを解体・撤去し、墓地の管理者にお返しすることです。改葬の中の一つの要素でもあります。
実は、お墓じまいにも必要な手続きや順番があるため、事前に情報を集めておく必要があります。
そこで本記事では、お墓じまいを行う手順、近年、お墓じまいが増えている理由、費用面や注意点などについてわかりやすく解説をしていきます。
- お墓じまいとは?
- お墓じまいが増えている理由
- お墓じまいを行う具体的な手順
- お墓じまいにかかる費用と注意点
これからお墓じまいを考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
結論をお伝えすると、お墓じまいはいろいろと手間がかかります。まずはお近くの石材店にご相談いただくとよいでしょう。
石一筋135年の石材店が次世代に思いを継ぐ墓づくりを提案
創業135年(2023年現在)、北海道を代表する石材店として滝川市で歴史を刻み「お墓は人生の物語」をテーマに墓石デザインプロデューサーとして、大切な人の想いを未来の家族に届けるお墓づくりを目指します。
お墓じまいとは「お墓を撤去し墓地を返還する」こと
お墓じまい(「改葬」とも言われます)とは、今あるお墓を解体・撤去し、その土地を更地にして墓地管理者へ返却することです。
この際、お墓に納められていた先祖の遺骨は手元に残ります。なお、墓地を返却しても、資金が戻ることはありません。
理由としては、お墓の土地は購入したわけではなく、「永代使用料」を支払い、その土地を墓地として使用する権利を得ているからです。
お墓じまいには、行政の手続きや墓地管理者との交渉、さまざまな工事の依頼など、多くの作業が伴います。そのため、事前にしっかりと流れを確認し、必要な相談を行うことが大切です。
昨今、お墓じまいが増えている本当のワケ
厚生労働省の「衛生行政報告例」によると、2021年度のお墓じまい(改葬)の件数は118,975件で、10年前の2011年度の76,662件から1.5倍以上増加しています。この増加の背景には、以下の要因が考えられます。
- 日本の少子高齢化
- 都心部への人口の集中
- 価値観の変化
- 無縁墓(むえんぼ)の増加
順番に解説をしていきます。
日本の少子高齢化
日本は少子高齢化や核家族化が進行中で、家族の形が多様化しています。
お墓については、伝統的に「◯◯家の墓」として家族や親族の遺骨を納め、子孫に受け継がれる形が一般的でした。
しかし、現代では子どもがいない家庭や、親族とのつながりが薄い家庭が増え、お墓を継ぐ人がいないという問題が浮上しています。
都心部への人口の集中
また、都市部への移住が進む中、遠方にある実家のお墓参りが困難になるケースが増えています。
このような背景から、お墓の維持管理費や供養の負担を考慮し、お墓じまいを選択する家庭が増加しているのです。
価値観の変化
お墓に対する価値観も変化してきました。
昔ながらの「家族で入るもの」という考え方から、1人用や子どもに引き継がないことを前提としたお墓が登場しています。
このような新しい価値観やライフスタイルの変化が、お墓じまいの選択を後押ししていると言えるでしょう。
無縁墓(むえんぼ)の増加
無縁墓という問題も注目されています。
継承者が途絶えたお墓は、管理されずに荒れることが多く、これが社会問題として取り上げられることも増えてきました。
このような背景から、自身のお墓が将来的に無縁墓にならないよう、お墓じまいや永代供養などの選択を検討する人が増えています。
このような背景から、お墓じまいを検討されている方が増えてきています。
お墓じまいをする必要性【結論やるべき】
増えているとはいえ、実際にお墓じまいをする必要はあるのでしょうか。
先述のとおり、親族が遠方に住んでいる場合やお墓参りをする人が少なくなった場合、お墓の管理や手入れが難しくなることがあります。
たとえば、お墓が草ぼうぼうになったり、墓石が傾いてしまうことも。このような状態を放置すると、他の墓地利用者に迷惑をかけることも考えられます。
また、先祖代々のお墓であっても、現代の生活スタイルや価値観の変化により、大きなお墓を維持することが負担と感じる家族も増えてきました。そのため、コンパクトな納骨堂に改葬する家族も増えています。
さらに、墓地使用料の継続的な支払いや、定期的な法要の費用も考慮すると、経済的な理由からお墓じまいを選択する家族も少なくありません。
以上のような理由から、お墓じまいを検討することは、時代の変化とともに増えてきているのです。
おお墓じまいをやってご遺骨を改葬する場合、おお墓じまいをやる側、いわゆる自分たちの埋葬場所も創造しておく必要があります。
たとえば、祖父母様を合葬墓に改葬して数十年後に同じ合葬墓に入れない可能性もありますので、注意が必要です。
慌てなくても大丈夫|お墓じまいの7つの手順
ここからは、お墓じまいに必要な手順についてお伝えしていきます。お墓じまいは大きく分けて以下の7つのステップで行われます。
- 親族と話し合い同意を得る
- 管理者に連絡をする
- 供養方法と納骨先を決める
- お墓じまいの依頼先を決める
- 墓地がある自治体で必要な手続きを行う
- 閉眼供養をしてご遺骨を取り出す
- 墓石を撤去し更地にして返還する
ひとつずつ見ていきましょう。
みなさん、お墓自体を撤去することに頭が行きがちですが、一番大事なのは「お墓に納められていたお骨の行先を決めること」です。そもそも、お骨の行先が決まっていないとお墓じまいの許可がおりないので注意しておきましょう。
お墓じまいを考える際、まずは関係する親族全員との事前の話し合いが大切です。
親戚の中には「お墓は代々受け継いでいくものだ」という価値観を持つ人もいるので、そのような方々にとって、お墓は心の拠りどころとして大切にされてきた場所。
そのため、お墓じまいの意向を伝える際には、「なぜお墓じまいを考えたのか」や「お墓じまい後の予定」を丁寧に説明することが必要です。
また、話し合いに臨む前に、既存のお墓にどの方のご遺骨が入っているのかを確認し、それぞれの行き先を検討しておくことで、スムーズなやりとりができるでしょう。
最終的に、合意した内容を覚書にまとめることで、将来的なトラブルを避けることもできるはずです。
親族との同意を得た後は、霊園や寺院などのお墓の管理者にその意向を伝え、「埋葬証明書」を発行してもらいます。
また、長い間檀家としてお世話になってきた寺院が管理者である場合、お墓じまいを考える背景や事情をしっかりと伝え、理解を求めることが大切です。
さらに、離檀料の相場を事前に確認し、高額な請求があった場合は、専門家の助けを求めることも考慮するとよいでしょう。
お墓じまい後のご遺骨の供養方法として、一般墓や樹木葬、納骨堂などの永代供養施設への改葬や、手元供養、散骨などが考えられます。
寺院や霊園からの了承を得た後、供養方法を選ぶ際には、今後の管理方法や費用を検討し、自分や家族に合った方法を選ぶことが大切です。
たとえば、家族が墓参りを続けることが難しい場合、永代供養が適しているかもしれません。また、故人を身近に感じたいと思う場合、手元供養が良いでしょう。
お墓じまい後は、新しいお墓や供養先を探すことになります。気になる場所があれば、資料を取り寄せるか、直接訪問して確認すると良いでしょう。最終的に受け入れ先が決まったら、「受入証明書」を発行してもらい、それをもとに改葬許可証の申請を進めていきます。
お墓の解体や撤去を個人で行うのは難しく、供養や手続きを適切に進めるため、石材店や専門業者にお墓じまいの代行を依頼するのが一般的です。
業者選びの際、複数の業者から見積もりを取得し、予算やサービス内容をしっかり比較・検討することが大切です。
また、霊園によっては指定の業者しか依頼できない場合もあるため、事前に管理者に確認をしておきましょう。
手続きに不安がある方は、サポート体制が整っている業者を選ぶと安心できます。現地調査を行ってもらうことで、より正確な金額の見積もりを得ることができるので、その点も考慮に入れておくとよいでしょう。
お墓じまいの手続きは、自治体によって異なるため、必ず各自治体のホームページで詳細を確認しましょう。
一般的な手続きの流れとして、まず市区町村役所から「改葬許可申請書」を入手します。この申請書には、故人の基本情報や改葬の理由、新しい納骨先などを記入します。
次に、現在の墓地管理者から先程もご紹介した「埋葬証明書」を、そして新しい納骨先から「受入証明書」を取得します。
これらの書類を市区町村役所に提出し、「改葬許可証」を受け取ります。この許可証は、新しいお墓に遺骨を納める際に必要となるので、大切に保管してください。
申請から許可証が交付されるまでには、1週間程度かかることもあるため、手続きの日程は余裕を持って計画するといいでしょう。
また、散骨や手元供養の場合、通常はこの手続きは不要です。まれに必要とされる場合もあるので、その際は「自宅供養のため」といった理由を記載しておくとよいでしょう。
改葬許可証を入手した後、お墓の中のご遺骨を取り出す前に、「閉眼供養」という法要を行います。
この閉眼供養は、お墓に宿る魂をお坊さんに移してもらうもので、「魂抜き」や「お性根抜き」とも呼ばれることも。逆に、お墓を新しく建てる際には「開眼供養」を行い、墓石を礼拝の対象として神聖視します。
閉眼供養が終わったら、ご遺骨の取り出し作業を進めていきます。
。この作業は、石材店や専門の代行業者に依頼するのが一般的です。
なお、先祖代々のお墓には、予期せず知らない親族のご遺骨が入っていることも考えられます。そのような場合、新たに発見したご遺骨に対しても改葬許可証の申請が必要となるので、注意が必要です。
ご遺骨の取り出しを終えた後、業者に依頼して墓石の撤去と墓地の更地作業を行います。
ただし、墓石だけでなく、土の中の基礎部分もきちんと撤去することが大切です。撤去後、土を平らに整地し、墓地をきれいにしたら、墓地管理者に対して返還の手続きを進める必要があります。
このとき、墓地使用開始時に発行された「墓地使用許可証」を持参し、手続きを進めましょう。墓地をただの更地に戻すだけでは、返還とは認められませんので注意が必要です。
まお墓じまいを行う場合は、事前に改葬先との打ち合わせを行い、移転工事の日程を決めておくことも忘れないようにしましょう。
事前確認|お墓じまいにかかる費用
お墓じまいには、お墓を撤去する以外にもかかる費用があります。具体的には以下のとおりです。
- 墓石撤去・解体にかかる費用
- お布施などのお礼
- 離檀料
ひとつずつ解説していきます。
墓石撤去・解体にかかる費用(15万円〜)
解体・撤去工事費は、お墓を解体し、墓石を撤去する際にかかる費用です。
一般的に15万円からが一般的な撤去・解体費用の相場ですが、特殊な形状の場合は追加料金がかかることも考えられます。
とくに、重機の使用が難しく手作業が多くなる場合や、墓域の広さや墓石の状態が複雑な場合は、費用が高くなる傾向にあります。
なお、極端に安い撤去・解体費用を謳う業者には注意が必要です。不法投棄のリスクがあるため、信頼性のある石材店を選ぶことが重要です。
将来的に新しいお墓を購入する予定がある場合、遺骨を改葬することは難しいため、自宅での遺骨保管や納骨堂の利用を検討すると良いでしょう。
お布施などのお礼(2〜5万円)
お墓じまいには、閉眼供養を行い、新しい墓所での開眼供養も必要となります。これらの供養に際して、僧侶にお礼としてお布施を支払う必要があります。
お布施の相場は、一般的に2万〜5万円とされており、実際には3万円程度になることが多いです。ただし、固定された額は存在せず、地域や宗派によっても異なるため、事前に経験者の方々にも相談することをおすすめします。
離檀料(10〜15万円)
寺院や墓地で檀家を離れる際、離檀料として一定の金額を支払う慣習があります。
離檀料の相場は、過去のお布施の3回分程度とされています。一般的な法要の相場が3~5万円であることから、10~15万円程度が目安となるでしょう。
しかし、寺院によって考え方が異なるため、具体的な金額は檀家としての関係性や年数によって変わることがあります。
なお、離檀料には法的な義務はなく、お礼の気持ちとして支払うものです。したがって、相場よりも高額な請求を受けた場合や、支払いに困難を感じる場合は、弁護士や役所に相談することも選択肢として覚えておくとよいでしょう。
北海道では、凍害があるので、基礎が内地よりもがっちりしております。地下に生コンクリートが30センチ以上が一般的です。なので、
他の地域よりもかなり割高になります。
㎡単価8万円から9万円くらいが一般的な北海道内の目安です。例えば、4㎡=32万円くらいからという感じです。
もちろんお墓の大きさや難所など立地にも大きく左右され、同じ広さでも倍くらい違います。難所は工事車両が入らず人力と時間がかかることを覚えておきましょう。
トラブル防止|お墓じまいの注意点
最後に、お墓じまいをする際の注意点についてお伝えさせていただきます。
紹介した内容以外に少しでも不安を感じることがあれば、事前に相談されることをおすすめします。
親族間でしっかり話し合う
お墓じまいにおいて、親族間でのトラブルを防ぐためには、十分な話し合いが必要です。費用や改葬先の選定はもちろん、お墓じまいそのものに賛成かどうかを確認することも大切です。
現代では、お墓に対する価値観が多様化しています。一方で、長い歴史を持つ家族の墓に対して深い思い入れを持つ人も少なくありません。このような背景を踏まえ、事前にしっかりと意見を交換し、共通の理解を築くことで、後の不和を避けることができるでしょう。
事前に費用を確認
お墓じまいを進める際、墓石の撤去は石材店にお願いすることになります。
しかし、石材店によって撤去費用は異なるため、予想していたよりも高額な請求に驚かされることも考えられます。
トラブルを避けるため、複数の石材店から見積もりを取得し、納得できる予算の店を選択することが大切です。
ただし、墓地によっては指定の石材店しか利用できないこともあるので、事前に墓地管理者へ確認もしておきましょう。
まとめ
今回は、樹木葬の特徴、種類からメリット・デメリット、実際に埋葬する際のポイントについてお伝えしました。
- 日本の少子高齢化
- 都心部への人口の集中
- 価値観の変化
- 無縁墓(むえんぼ)の増加
このように昨今、お墓じまいを考えている方が増えてきています。
また、お墓じまいを行う具体的な手順は以下のとおりです。
実際に樹木葬を考えている方は、以下のポイントを抑えておいてください。
- 親族と話し合い同意を得る
- 管理者に連絡をする
- 供養方法と納骨先を決める
- お墓じまいの依頼先を決める
- 墓地がある自治体で必要な手続きを行う
- 閉眼供養をしてご遺骨を取り出す
- 墓石を撤去し更地にして返還する
一般的にお墓じまいはこの流れで行われますが、地域よって異なる場合があります。各所に確認をしながら進めていきましょう。
山崎石材工業では、無料にてお墓のことをご相談いただけます。もし、お墓じまいに関する疑問・不安がございましたらお気軽にご相談ください。