お墓を移すタイミングっていつがいいんだろう?注意することなどはあるのかしら?
親族のお墓が遠方にある方や後継ぎがいない方などは、お墓を移そうと検討されている方もいるでしょう。
気になるのはお墓を移すタイミングだと思います。
お墓を移すタイミングは、結論いつでもOKです。
お墓を移すのに決まったルールなどはないためです。 ただし、お墓を移す際の注意点はありますので、そこは考慮しなければいけません。
今回は、お墓を移すタイミングや注意点などについて、わかりやすく解説していきます。
- お墓を移す時期はいつでもかまわない
- お墓の移動で後悔する3つの理由
- お墓の移動におすすめのタイミング3選
この記事を一読いただければ、お墓を移すのにおすすめのタイミングや、お墓を移す際に考えるべきことがわかるようになります。
故郷からの引っ越しや後継者の問題などで、お墓を移すタイミングに悩んでいる方はぜひ最後まで読んでみてください。
石一筋135年の石材店が次世代に思いを継ぐ墓づくりを提案
創業135年(2023年現在)、北海道を代表する石材店として滝川市で歴史を刻み「お墓は人生の物語」をテーマに墓石デザインプロデューサーとして、大切な人の想いを未来の家族に届けるお墓づくりを目指します。
お墓を移す時期はいつでもかまわない
冒頭でもお伝えしたとおり、お墓を移すのに決められた時期はありません。
そのため、ご自身やご家族の都合を考慮して決めれば問題ありません。
ただ、お墓を移すのには、1ヶ月〜長いと数年かかるケースもあります。
ある程度まとまった時間の確保が必要なので、事前に理解しておきましょう。
お墓を移すとよくないのは迷信
そもそも、お墓を移すという行為自体がよくないと思っている方もいるのではないでしょうか?
お墓を移すのがよくないというのは迷信です。
お墓を移すのは改葬といって、一般に行われている行為のため心配は不要です。
厚生労働省が出している「衛生行政報告例」によると、全国での改葬の件数は年々増加しているのがわかります。
最新の2022年度の調査で151,076件、2012年度は79,749件と、ここ10年で倍近くの件数になっているのです。
お墓を移すのが、より一般的になってきている証拠ではないでしょうか。
近年は、核家族化や個人のライフスタイルの変化が激しい時代です。
ご自身の生活を考えて、必要ならばお墓を移すのは問題ないと捉えてください。
補足:昨今ではお墓に対して2極化の考え方がある
昨今のお墓の考え方は、以下の2つがあります。
考え方 | 内容 |
---|---|
現在の居住地に改葬 | ご自身の家から近い場所に、ご先祖のお墓を移す |
ご先祖様のふるさとを大切にする | 年に1度は、自身のルーツに出会いご先祖様に敬愛の年を抱く場を大切にする |
改葬には、様々なタイプがあるため、メリットデメリットを専門業者に教えてもらうのが失敗しない進め方です。
親切な業者は、複数の選択肢を提示してくれる傾向にあります。
ふるさとのお墓を大切にする場合は、メンテナンスが極力必要のないように両家や一族墓、親族墓などが選択肢として挙げられます。
ちなみに、イタリアでは、故人の生前を忍ばせる個性的なお墓デザインで建墓されるのが主流です。(25年後は一族墓に改葬)
墓じまいの費用は10〜60万円
お墓を移す場合、墓じまいをしなくてはいけません。
墓じまいとは、現在のお墓を撤去してその土地を更地にし、墓地管理者に返還することです。
墓じまいにかかる費用は10〜60万円ほどですが、内訳の費用目安は以下のとおりです。
- 墓石の撤去・解体(7〜20万円/1m²)
- お布施(2〜5万円)
- 離檀料(無償がほとんど)
補足:日本お墓の平均面積は約2m²
墓石の撤去・解体は、重機の使用ができない難所の場合や、墓石が特殊な形状の場合などに費用が高額になるケースがあるため注意が必要です。
お布施とは、墓じまいの際の閉眼供養(お墓から故人の魂を抜く儀式)に対して、僧侶に支払うお礼のことを指します。
また、ほとんどのお寺では、離檀料の請求はありません。
ただし、離檀料を請求された場合は、お寺との付き合い方を見直すか、離檀料を無償にできないか相談してみましょう。
離檀料を請求されないために、日頃からお寺さんとコミュニケーションを取るのが大切です。
お墓の移動で後悔する3つの理由
お墓の移動で後悔する理由は以下の3つです。
- 親族とのトラブルが起きた
- 思ったよりも費用がかかった
- お墓を移動した先に不満があった
順番に説明していきます。
親族とのトラブルが起きた
お墓の移動に関する決定権は、祭祀継承者の方にあります。
祭祀継承者とは、相続の際にお墓や仏壇を継承した方のことです。
理論上、祭祀継承者の方がお墓を移動するか否かを決められますが、お墓の移動に対しての捉え方は、親族間でも異なります。
例えば、先祖代々守り続けてきたお墓であれば、年長者の中には深く思い入れのある方もいるでしょう。
そのような方はお墓の移動に反対するかもしれません。
祭祀継承者の方の一存のみで決めるのは、トラブルの原因になってしまいます。
後悔しないためにも、親族間での話し合いの場は必ず設けましょう。
思ったよりも費用がかかった
前の章でも一部(墓じまいのみの費用について)触れましたが、お墓を移す際にかかる費用としては以下のとおりです。
- 墓石の撤去・解体
- お布施
- 離檀料
- 行政手続き
- 新しい納骨先
この内、費用の変動の幅が大きいのが、墓石の撤去・解体と新しい納骨先です。
墓石の撤去・解体については前の章で記載したとおり、お墓の立地や形状、大きさによって、費用が高額になってしまうケースがあります。
また、お墓から取りだす遺骨の数によって金額が変わってくるため、先祖代々のお墓を墓じまいする場合は注意が必要です。
石材業者に内部調査を依頼すればお墓の内部状態を確認できますので、必要に応じて利用しましょう。
新しい納骨先に関しては、墓石を建てたり、納骨堂を利用するなど、改葬方法によって金額が異なりますので、事前に新しい納骨先は決めておくべきです。
上記の点を把握していないと、「思った以上に費用がかかってしまった…」と後悔する可能性があります。
お墓を移動した先に不満があった
お墓の移動先によっては、ご先祖の遺骨を残せない場合があります。
合祀墓や自然葬(一部の特殊な自然葬を除く)は、費用はおさえられますが遺骨は残せません。
合祀墓とは、血縁関係のない複数の遺骨を一緒に埋葬する大きなお墓を指します。自然葬とは、海や山、空への散骨や、樹木葬のことです。
合祀墓も自然葬もお骨を砕いて撒いてしまうため、後から遺骨を取りだすことができません。
遺骨が残せないのを知らずに合祀墓や自然葬を選択し、後悔してしまうケースもあります。
どうしても費用をおさえたい場合などは、分骨を検討するのもいいでしょう。分骨とは、遺骨を分けてその一部を手元に残す方法です。
また、費用はかかってしまいますが、新しく墓石を建てたり、納骨堂を利用して遺骨を残すのもおすすめです。
ご自身の状況に合わせて、後悔しない選択をしてみてください。
お墓の移動におすすめのタイミング3選
お墓の移動におすすめのタイミングは以下の3つです。
- 自分のお墓を考え始めたとき
- 法事などで親族が集まったとき
- 天候が安定している4月〜5月または8月〜11月
順番に説明していきます。
自分のお墓を考え始めたときに調べてみる
そもそも、お墓の移動に意識が向くのは、何かしらお墓に関心を持つきっかけがあるからだと思います。
お墓に関心を持つきっかけの一つとして、自分のお墓を考え始めたときがあるでしょう。
例えば、還暦(60歳)や古希(70歳)を迎えるタイミング、終活を始めようと思ったときなどです。
ご先祖のお墓が遠方にある場合、自分の住まいの近くに移動させて、自分もそのお墓に入ろうと考える方もいると思います。
また、自分の後継者がいない場合、ご先祖のお墓が無縁仏(供養してくれる親族や縁者のいないお墓のこと)になってしまう可能性を考えて、お墓の移動を検討する方もいるかもしれません。
ご自身のお墓について考えるタイミングが、お墓の移動を検討するのにおすすめのタイミングと言えるでしょう。
法事などで親族が集まったときに相談する
年末年始や法事などで、親族が一同に集まる機会も、お墓の移動におすすめのタイミングです。
普段は会えない近親者以外の親族の方から、お墓の移動に関しての意見を聞けるでしょう。
多くの親族の方に相談ができるため、前の章で話した親族間トラブルも未然に防げます。
例えば自身が祭祀継承者で、経済的な負担や維持管理の負担を一手に担っていたりする場合などは、その事情を話せば、お墓を移動させたい理由に納得してもらえるかもしれません。
1年に数回しかない親族の集まりの場なので、お墓の移動に関してしっかりと共有できる場にしたいところです。
先祖代々のお墓を守っている方は、まずは、想いでサイトで簡単に、家系図やご先祖の思い出の写真などを準備して作成してみてはいかがでしょうか?想いで話に花が咲き、ひょっとするとお墓の承継問題の糸口が見つかるかもしれませんね。
天候が安定している4月〜5月または8月〜11月
お墓の移動は、1年の中でも天候が安定しているタイミングを選ぶのがおすすめです。
雨や雪などの悪天候だと、墓石の撤去・解体をする際、工事業者の方が安全に作業できません。
あまりに足場が悪い場合などは、最悪工事の中止もありえるでしょう。 ご自身や親族の方も、晴れてる日にお墓を移動できるほうが快適ですよね。
また、お盆やお彼岸、年末年始のタイミングは、お墓の移動を避けた方がいいでしょう。
墓じまいの際の閉眼供養では僧侶の方の読経があります。寺院の繁忙期であるお盆やお彼岸は避けるのがベターです。
お参りに来る人が増える年末年始も、お墓の解体工事をするタイミングとしては向いてません。年末年始も可能な限り避けるようにしたいですね。
まとめ
今回は、お墓の移動に関して、後悔する理由やおすすめのタイミングについてお伝えしました。
お墓の移動で後悔する理由は以下の3つです。
- 親族とのトラブルが起きた
- 思ったよりも費用がかかった
- お墓を移動した先に不満があった
それぞれ事前に確認をとり、お墓の移動で後悔しないようにしましょう。
また、お墓の移動におすすめのタイミングは以下の3つです。
- 自分のお墓を考え始めたときに調べてみる
- 法事などで親族が集まったときに相談する
- 天候が安定している4月〜5月または8月〜11月
おすすめのタイミングを参考にして、お墓を移す時期について考えてみてください。
山崎石材工業では、無料でお墓のことをご相談いただけます。もし、お墓を移す時期についてお悩みであればお気軽にご相談ください。