散骨って一体なに?散骨には法的な手続きが必要かしら?
散骨とは粉末状のお骨を、海や山に撒いて自然に還す方式の供養です。
近年では「墓石のように多額の費用をかけたくない」や「自然に還りたい」と考えて散骨を選ぶ方が増えています。
一方で、法律的な手続きは不要ですが、散骨禁止の場所があるなどルールやマナーが厳しいのが現状です。
そこで本記事では、散骨の手続きや、よくないといわれる理由などを解説していきます。
- 散骨の意味や法的な手続きの有無
- 散骨がよくないといわれる5つの理由
- 散骨が選ばれる4つの特徴
- 代表的な散骨の種類3選
これから散骨を考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
「昔から散骨に憧れていたけど、実際のやり方がわからない」という人が多くいらっしゃいます。散骨で後悔しないためにも、ぜひ最後まで読んでみてください。
石一筋135年の石材店が次世代に思いを継ぐ墓づくりを提案
創業135年(2023年現在)、北海道を代表する石材店として滝川市で歴史を刻み「お墓は人生の物語」をテーマに墓石デザインプロデューサーとして、大切な人の想いを未来の家族に届けるお墓づくりを目指します。
散骨とは火葬したお骨の粉末を供養する方法
散骨とは、火葬したお骨を粉末にしたのち、海や山などに撒く供養を指します。
お墓の情報サイト「いいお墓」が2023年に実施した「お墓の実態調査」によると、一般的な墓石の購入費用は約150万円の費用がかかります。
また、散骨は墓石が不要のため「費用を抑えたい」や「自然に還りたい」などの想いから、散骨を検討されている方が多いのが特徴です。
一方で「供養したい」という気持ちそのものが、最大の供養であることは言うまでもありません。
単純な費用だけでなく、残された家族の気持ちを大切にして慎重に検討しましょう。
散骨は法的な手続きは不要
日本で散骨をする場合に法的な手続きは不要です。
ただし、散骨方法を間違うと違法になるケースもあります。
また、自治体によっては「散骨禁止」などのルールが決められており、法律だけでなく様々な決まりを守る必要があるでしょう。
法律上問題がないからといって、どこにでも散骨できるわけではありません。
もしも散骨したい特定の場所があるときは、散骨する前に地域のルール上に問題が無いか確認しましょう。
散骨の要件は、以下の表を参考に問い合わせしましょう。
要件 | 問い合わせ |
---|---|
散骨ルールの確認 | 散骨場所の各自治体 |
散骨の許可 | 土地の所有者または各自治体など |
また、一般的に以下の2ヶ所は散骨に適さないといわれています。
場所 | 理由 |
---|---|
観光地周辺 | 人が多く、散骨を不快に感じる方がいる |
養殖場周辺 | 魚がお骨を食べてしまう可能性がある |
散骨は自分ひとりでもできるがおすすめしない
散骨は、厚生労働省が定める「散骨に関するガイドライン」を遵守すれば、ひとりでもできます。
ただし、ガイドラインは散骨事業者向けのため、基本的に散骨を個人で行うのはおすすめしません。
また、散骨は最初から最後まで一人で行うのではなく、専門の業者と一緒に相談しながら実施を検討しましょう。
散骨は供養のため、決められたルールに則って厳粛に行われるべきです。
加えて、散骨はむやみにして良いものではなく周辺地域への配慮が欠かせません。
故人に対する敬意を持ちつつ、最適な供養の方法を選択しましょう。
もしも埋葬の方法に迷った場合は、山崎石材工業まで気軽にご相談ください。
樹木葬は散骨とは異なる
樹木葬と散骨の違いは、墓標の有無です。
日本で一般的な樹木葬は、墓標を伴います。
一方で、散骨は墓標がないため、お墓の正確な場所はわかりません。
そのため、一般的なお墓のように、お彼岸や命日などでお供えをしたりお線香をあげたりといった供養が難しいです。
樹木葬では、合祀されたあとでも墓標が残り続けるため、お墓参りが可能です。
散骨がよくないといわれる5つの理由
散骨にマイナスなイメージを持たれている方は多いかもしれません。
散骨はよくないといわれる理由は以下の5つです。
- 散骨のルールを守らないとトラブルになる
- 散骨によって寂しさを感じて後悔する
- 散骨を快く思わない方もいる
- お墓参りのような供養ができない
- 家族や親戚の間でトラブルが起きる
順番に解説していきます。
1.散骨のルールを守らないとトラブルになる
日本には散骨を禁止する法律はありませんが、散骨に関するルールは存在します。
そのため、散骨するときには関係する人々に許可や承諾を得るべきでしょう。
事前に許可を取るなど十分に準備してから散骨する方が、トラブルに発展するリスクは少ないです。
散骨するにあたって、許可を取る関係者は以下のとおり。
- 土地の所有者
- 近隣住民
- 海域の漁業組合
- 自治体
もしも、自分が所有している山や土地に勝手に散骨されたら、不快に思う方は多いでしょう。
散骨は供養のため、故人の意向を尊重しつつ、周りの方々には最大限の配慮を忘れないように心がけてください。
2.散骨によって寂しさを感じて後悔する
一度散骨してしまうと、二度と元通りには戻せません。
そのため、故人の希望で散骨したとしても、寂しさを感じてしまい後悔するケースがあります。
家族で話し合って散骨を決めたとしても、墓石がないためにふと寂しさを感じるかもしれません。
また、ご遺骨の供養は散骨以外の方法もあります。
立派な墓石でなくとも、永代供養などは5万円の費用からサービスを利用できます。
もしも周りに相談する方がいない場合は、お墓の専門家に相談がおすすめです。
3.散骨を快く思わない方もいる
日本では、亡くなった方は墓石のあるお墓に入るのが一般的です。
そのため、お骨を自然に還す散骨を快く思わない方が多い傾向にあります。
法律やルール上問題がなくとも、社会的なモラル・マナーには十分に注意が必要です。
また、散骨の行為が違法と考えている方もいるため、散骨しているところを見られると注意される可能性があります。
4.お墓参りのような供養ができない
散骨は、一般的なお墓のような墓標を建てないためお墓参りのような供養ができません。
散骨したおよその位置は把握できますが、正確な位置はわからないため、どうしても故人との心の距離は離れてしまうでしょう。
また、友人からお盆やお彼岸にお墓参りした話などを聞くと、自分も同じような供養をしてあげたいと思うかもしれません。
もしも、お墓参りをして供養したいと考えている方はネット墓という形もあります。
ネット墓は、故人の写真などをWEB上に保存して、いつでもどこでも思い出せる新しいお墓です。
5.家族や親戚の間でトラブルが起やすい
たとえ故人が散骨を臨んでいたとしても、家族や親戚から散骨を反対されて揉めるケースがあります。
先祖代々お墓がある家系では「同じお墓に入ってほしい」と考えるのは、自然な流れです。
散骨する前には、ご本人と散骨を相談された方の他に、家族や親戚にも必ず相談しましょう。
散骨が選ばれる4つの特徴
散骨を検討している方は、特徴を知りたいと考えているかもしれません。
散骨が選ばれている特徴は以下の4つです。
- お骨が自然に還る
- お墓の費用がかからない
- 故人の希望が叶う
- お墓の跡継ぎで悩む必要がない
順番に解説していきます。
お骨が自然に還る
亡くなったあとは「自然に還りたい」と考えている場合は、散骨が最適かもしれません。
お骨を粉末状にして土や海に撒くため、散骨したあとは土や海に還ります。
もしも散骨する場合は、信頼できる専門の業者に依頼するのが無難です。
故人、散骨する本人、散骨する地域の方々や自治体にとって余計な心配が無く、気持ちよく供養できるでしょう。
お墓の費用がかからない
散骨は、墓石の購入が不要のため一般的なお墓よりもコストが抑えられます。
一般的なお墓と散骨の費用の比較は以下のとおりです。
供養方法 | 費用 |
---|---|
墓石 | 約150万円 |
散骨 | 2万円〜50万円 |
散骨は、費用の安さから注目されています。
一方で、単純な費用だけで散骨を選ぶと後悔する可能性があります。
まずは専門家と相談して、最適な供養方法を決めるところから始めてください。
故人の希望が叶う
故人が「自然に還りたい」と望んでいた場合は、散骨によって希望が叶うでしょう。
また「生前に思い出のある土地で眠りたい」と生まれ故郷などで、供養されたいと考える方もいます。
希望の土地で安らかに眠りたいと考える思いを尊重できるのは、散骨のメリットの一つです。
できるだけ希望を叶えるために、家族への説明や散骨の場所に住む方々への許可を取るなど周到な準備は必ず行いましょう。
お墓の跡継ぎで悩む必要がない
一般的なお墓は「跡継ぎ」が必要です。
そのため、ご自分で新しくお墓を建てる場合は、跡継ぎを考える必要があるでしょう。
昔はお墓の管理をご子息がするのは当たり前でしたが、時代の変化とともに当たり前ではなくなりました。
一方で近年では、息子世代に「手間を掛けさせたくない」と考える方が増えています。
お墓の管理が必要のない「散骨」が選ばれる理由の一つといえるでしょう。
代表的な散骨の種類3選
ここからは散骨の種類を紹介します。
代表的な散骨の種類は以下の3つです。
- 大地にお骨をまく山岳散骨
- 海にお骨をまく海洋散骨
- お骨を専用カプセルで打ち上げる宇宙散骨
順番に解説していきます。
大地にお骨をまく山岳散骨
山岳散骨は、山や森林へお骨を撒く供養方法です。
山に散骨するメリットは、山そのものが墓標のように感じられる点です。
また、登山が好きな方だと山に登るたびに故人を思い出すため、登山が一種の供養ともいえるでしょう。
遺言によって、お骨の一部だけを山に散骨する方もいるようです。
山岳散骨の注意点は、必ず所有者(自治体など)に散骨の許可を取る必要があります。
さらに、山岳散骨の代行業者に頼むときは信頼できる会社を選びましょう。
基本的には、散骨は代行してもらうのではなくご自身も同行して行うのがおすすめです。
一般的な費用はおよそ3万円程度です。
海にお骨をまく海洋散骨
海洋散骨は、海にお骨を巻く供養方法です。
海に散骨するメリットは、海を見るたびに故人との結びつきを感じられる点です。
しかし、条例で海への散骨を禁止している自治体や地域があります。
そのため海洋散骨は、人や養殖魚のいない、沖で行われるケースが多いです。
一般的には海洋散骨専門の業者に依頼して、船の手配や自治体への許可などを取ってもらって散骨します。
費用は20万円〜30万円が相場です。
お骨を専用カプセルで打ち上げる宇宙散骨
宇宙散骨は、バルーンなどで空に向けてお骨を打ち上げる供養方法です。
専用のカプセルにお骨を入れて、宇宙空間へ散骨します。
宇宙への散骨は、自治体や近隣住民への許可などは不要のため、面倒な手続きはないでしょう。
費用は30万円前後が相場です。
宇宙葬は「空を見上げると故人を思い出せる」と感じられるといった特徴があります。
ただし、粉末にしたお骨は重さの関係で少量しか宇宙に打ち上げられません。
手元に残ったお骨は、別の方法で供養する必要があるため生前に家族と話し合っておきましょう。
まとめ
今回は、散骨の意味やよくないといわれる理由についてお伝えしました。
散骨がよくないといわれる理由は以下の5つです。
- 散骨のルールを守らないとトラブルになる
- 散骨によって寂しさを感じて後悔する
- 散骨を快く思わない方もいる
- お墓参りのような供養ができない
- 家族や親戚の間でトラブルが起きる。
それぞれ内容が異なりますので、散骨を検討の際は確認しておきましょう。
また、散骨が選ばれる4つの特徴は以下のとおりです。
- お骨が自然に還る
- お墓の費用がかからない
- 故人の希望が叶う
- お墓の跡継ぎで悩む必要がない
ただし、メリットだけでなくデメリットも十分に考慮しましょう。
代表的な散骨は以下の3つです。
- 大地にお骨をまく山岳散骨
- 海にお骨をまく海洋散骨
- お骨を専用カプセルで打ち上げる宇宙散骨
まずは、専門家に相談をして、どのような埋葬方法がふさわしいのかを決めることから始めてみてください。
山崎石材工業では、無料にてお墓のことをご相談いただけます。もし、散骨でお悩みであればお気軽にご相談ください。