お墓じまいしないとどうなるのかしら?放っておくのは、よくないの?
お墓じまいしないと、後継者がいない場合は無縁仏になってしまったり、墓地管理者の判断でお墓が撤去されてしまいます。
様々なデメリットがあるため、お墓じまいは行うべきです。
今回は、お墓じまいをしないと起こるデメリットや、お墓じまいの手順について解説していきます。
- お墓じまいをしないと起こる3つのデメリット
- お墓じまいとは改葬と同じ
- お墓じまいをするには7つの手順がある
- 【費用別】お墓じまいにおける5つの供養方法
- お墓じまい(改葬)を成功させるための3つの方法
本記事をご一読いただければ、お墓じまいしないと起こる問題が具体的にわかり、お墓じまいの基本的な進め方を理解できるでしょう。
お墓じまいを成功させるための方法や、お墓じまいの後の新たな供養方法についても費用別で説明しました。 ぜひ最後までお読みください。
石一筋135年の石材店が次世代に思いを継ぐ墓づくりを提案
創業135年(2023年現在)、北海道を代表する石材店として滝川市で歴史を刻み「お墓は人生の物語」をテーマに墓石デザインプロデューサーとして、大切な人の想いを未来の家族に届けるお墓づくりを目指します。
お墓じまいをしないと起こる3つのデメリット
お墓じまいをしないと起こる3つのデメリットは以下のとおりです。
- 後継者がいなくなった場合に無縁仏になる
- 霊園の判断でお墓がなくなる
- 先祖が供養されない
順番に解説していきます。
後継者がいなくなった場合に無縁仏になる
無縁仏とは、供養してくれる親族や縁者がいなくなった故人やお墓を指します。
お墓の後継者がいない方が、無縁仏になるのを心配して、お墓じまいを考えるケースがあります。
その際、お墓じまいについて少し調べると「お墓じまいは費用がかかる行為だ」と思ってしまい、お墓じまいを諦めてしまいがちです。
しかし、お墓じまい後の新しい供養方法で、費用を抑えた選択をするなど、お金をかけずにお墓じまいをする方法もあります。
費用を抑えてお墓じまいする方法がわかれば、先祖供養の心配がなくなり、安心して暮らせるはずです。
お墓じまいを検討している方は、費用をかけないお墓じまいの方法があるのも理解しておきましょう。
霊園の判断でお墓がなくなる
墓地の管理費用を一定の期間支払わないと、墓地の使用者や縁故者に対して、行政からの官報広告と、お墓の前に立札が設置されます。
これに対して1年以内に申し出をしないと、墓地管理者が対象の墓地を整理できるようになっているのです。
つまり、お墓がなくなってしまいます。
多くの場合、お墓の中の遺骨は無縁仏を祀る施設や合祀墓に移動されます。
これらの供養方法は、他人のお骨と一緒に埋葬されるため、基本的には後からお骨を取り出せません。
お骨を取り出せないと、ご先祖様の供養を自分ではできなくなります。
自分自身も後悔しますし、ご先祖様にも喜ばれない結果になってしまうため、お墓じまいは必ず行いましょう。
先祖が供養されない
既に説明したとおり、管理費用が支払われず、無縁仏となってしまったお墓は、一定期間が経過すると、墓地管理者により合祀墓などに移動されます。
その際、お骨をまとめたり、移動させる費用を負担するのは墓地管理者です。
そのため、決まったタイミングで法要を行ってくれるとは限りません。
放っておけばお骨が移動されて、移動先で供養をしてくれると勘違いしている方もいますが、永代供養とは違いますので注意しましょう。
永代供養とは、霊園や寺院に管理費用を支払い、管理者に供養を代行してもらう方法です。
無縁仏のお墓になると、管理者が費用を負担するため、たとえ供養をしてもらえずとも文句は言えません。
ご先祖様の供養のためにも、お墓じまいをせずに放置するのは避けましょう。
お墓じまいとは改葬と同じ
改葬とは、今あるお墓を撤去して更地にし、墓地管理者に返却したあとに、新しい場所で納骨する行為を指します。
お墓じまいは、お墓を撤去して更地にするまでを指す行為で、改葬の中の一部の工程です。
お墓じまいをするというのは、供養をやめるわけではありません。
上記のとおり、お墓じまいはお墓を撤去して更地にする行為を指しますが、その後は、当然別の場所にお墓を移さなくてはなりません。
つまり、お墓じまいと改葬における手段のひとつといえます。
お墓を撤去するというと、「罰あたりな行為」と心配する方がいますが、ご先祖様を供養しやすくするために行うのがお墓じまいです。
お墓じまいは全く問題のない行為ですので、勘違いしないようにしましょう。
お墓の撤去費用はおよそ30万円ほどかかる
お墓の撤去費用は約30万円ほどですが、内訳は以下のとおりです。
- 墓石撤去・解体にかかる費用(15万円〜)
- お布施などのお礼(2〜5万円)
- 離檀料(10〜15万円)
※ 墓石の撤去・解体は、お墓の立地や広さによって金額が変動します
お布施とは、僧侶の方の法要に対して支払う金額です。
お墓を撤去する際に、閉眼供養といって、お墓から仏様の魂を抜きとる儀式を行います。
なお、お墓じまい後に、新しいお墓に仏様の魂を入れる開眼供養も、お布施の一部に含まれるので覚えておきましょう。
離檀料は、檀家を離れる際にお寺や寺院に支払う費用です。
ただ、お寺や寺院の方と良好な関係を築けていれば、離檀料を請求されるケースは基本的にありません。
30万円の費用が払えない場合はメモリアルローンなどを活用しよう
メモリアルローンとは、供養や祭祀という目的に限定したローンです。
銀行などの金融機関や、寺院・霊園・石材店などと提携した信販会社で取り扱っています。
会社によってサービス内容は異なりますが、建墓、お墓じまい、仏壇仏具の購入などで組めるローンです。
お墓じまいの際、離檀料は基本的にかからないと説明しましたが、お寺や寺院の考え方や関係性によっては、請求されるケースもあります。
費用で悩んでいる方や、まとまったお金がすぐに用意できない方は、ぜひメモリアルローンを活用しましょう。
ローンを組むのは気が進まないという方は、親族に費用の一部を負担してもらえないか、確認してみてください。
また、対象の地域は限られますが、お墓のある自治体に、補助金の申請ができないかも確認してみる良いでしょう。
お墓じまいをするには7つの手順がある
お墓じまいの7つの手順は以下のとおりです。
- 親族と話し合い同意を得る
- 管理者に連絡をする
- 供養方法と納骨先を決める
- お墓じまいの依頼先を決める
- 墓地がある自治体で必要な手続きを行う
- 閉眼供養をしてご遺骨を取り出す
- 墓石を撤去し更地にして返還する
親族とは事前にしっかりと話し合い、お墓じまいの同意を得ましょう。
また、供養方法と納骨先を決める際は、お墓の管理方法や費用など、ご自身やご家族に合ったものを選択しましょう。
墓地がある自治体での手続きでは、関係各所から必要な書類を集めなくてはいけません。
書類の手続きが済んだら、閉眼供養をした後、遺骨を業者に取り出してもらいます。
遺骨を取り出した後は墓石を撤去して更地にし、土地返還の手続きを進めましょう。
【費用別】お墓じまいにおける5つの供養方法
お墓じまいにおける5つの供養方法と費用相場について解説します。
- お墓参りをしたいなら自宅の近くにお墓を建て替え|200万円〜
- 費用を抑えてお墓の良さを残すなら樹木葬|5万円〜
- 自然に還して供養するなら散骨|2万円〜
- 都心でご遺骨を管理するなら納骨堂|50万円〜
- 墓石とは別で思い出を残すならネット墓|3万円〜
費用や供養の形など、人によって重視するポイントは異なるはずです。 ご自身やご家族に合った供養方法を探してみてください。
1.お墓参りをしたいなら自宅の近くにお墓を建て替え|200万円〜
お墓じまいにおける供養方法として、最もスタンダードな方法です。
お墓の建て替えに向いている人、向いていない人は以下のとおりです。
【向いている人】
- 跡継ぎに費用の負担をかけたくない
- 自分好みの外観のお墓を建てたい
- 家族とのつながりを強く感じたい
【向いていない人】
- 費用を極力抑えたい
- お墓の跡継ぎがいない
ご自身でお墓を購入すれば、ご子息の方もそのお墓に入れるため、跡継ぎの費用負担はなくなります。
お墓は、日本人に馴染みのある縦長の和型墓石をはじめ、ガーデニング墓石やデザイン墓石など様々な種類があります。
自分好みの墓石を選べるのも、お墓を建てるメリットの一つです。
また、自分でお墓を持てば、ご先祖様のお骨もずっと保管できるため、一族のつながりをより強く感じられるのではないでしょうか。
一方、費用を抑えたい人や、お墓の跡継ぎがいない人にはお墓の建て替えは不向きですので、他の供養方法を検討しましょう。
2.費用を抑えてお墓の良さを残すなら樹木葬|5万円〜
樹木葬とは、墓石の代わりに樹木などを墓標とし、その直下にお骨を埋葬する供養方法です。
樹木葬に向いている人、向いていない人は以下のとおりです。
【向いている人】
- 費用を抑えたい
- 後継者がおらず、永代供養してもらいたい
【向いていない人】
- 後から遺骨を取り出す可能性のある
- お墓を近くに構えたい
樹木葬は、プランによって幅はありますが、5万円〜から利用可能です。
施設が代わりに供養を行ってくれるため、後継者がいない方も利用しやすいでしょう。
ただし、基本的にはどのプランも、最終的に合祀墓に移されるケースが多く、後から遺骨を取り出す可能性がある人には不向きです。
また、樹木葬ができる場所は郊外にあるケースも多く、お墓への距離が遠くなる可能性もあるので注意しましょう。
3.自然に還して供養するなら散骨|2万円〜
散骨とはお骨を粉末状にして、海や山などに撒く供養方法です。
散骨に向いている人、向いていない人は以下のとおりです。
【向いている人】
- 費用を抑えたい
- 生前の故人の希望を叶えたい
【向いていない人】
- 後から遺骨を取り出す可能性がある
- お墓参りしたい
散骨は樹木葬と同様、費用を抑えたい方にはおすすめの供養方法で、だいたい2万円ぐらいから利用可能です。
生前故人に、自然に還りたいという希望があった場合も、散骨はおすすめできます。
しかし、お骨を撒く供養方法のため、当然、後からお骨を取り出せません。
また、お墓を設けない供養方法なので、定期的にお墓参りに行って、故人の供養がしたいという方には不向きでしょう。
4.都心でご遺骨を管理するなら納骨堂|50万円〜
納骨堂とは、骨壺に入れたお骨を安置できる施設を指します。 納骨堂に向いている人、向いていない人は以下のとおりです。
【向いている人】
- 都心に住んでいる
- 比較的自由な時間に参拝したい
【向いていない人】
- 後から遺骨を取り出す可能性がある
- 納めたいお骨の数が多い
納骨堂の立地は公共交通機関が整った場所であるケースが多く、利便性が良いのが特徴です。
また、24時間いつでも参拝可能な施設もあり、お墓参りの時間がなかなか取れない方にもおすすめできます。
ただ、納骨堂も樹木葬と同様、一定期間が過ぎると合祀墓に移されてしまう施設もあるため、後から遺骨を取り出す可能性のある人は注意しましょう。
また、納骨堂は1つの収蔵スペースに納められる骨壺の数が決まっております。
納めたいお骨の数が多い方は、想定以上の費用がかかってしまう可能性もあるため、注意が必要です。
5.墓石とは別で思い出を残すならネット墓|3万円〜
ネット墓とは、インターネット上に設ける、仮想的な墓地を指します。
ネット墓のページには故人の名前や写真、生涯の業績やエピソードなどを掲載でき、いつでも、誰でも故人の供養が可能です。
ネット墓を利用すれば、お墓参りに行けないときでも、自宅から簡単に故人を供養できます。
また、墓石にネット墓のQRコードを刻印できるため、墓石を持つ形の供養と、とても相性が良いです。
山崎石材工業でも、「雲のものがたり」というネット墓のサービスをご用意しており、3万円〜利用できます。
ご相談は無料で承りますので、ネット墓が気になるという方はこちらからお気軽にお問い合わせください。
ネット墓はどの手段をとっても、ご先祖様の記憶のバックアップとなるので、これからの時代は作成することをお勧めいたします。
お墓じまい(改葬)を成功させるための3つの方法
お墓じまい(改葬)を成功させるための3つの方法は以下のとおりです。
- 家族や親戚の理解を得る
- 費用だけではなく納得できる供養方法を選ぶ
- お墓の専門家に相談する
順番に解説していきます。
家族や親戚の理解を得る
お墓じまいでは、親族の理解を得られずトラブルになるケースがあります。 よくあるトラブルの原因は以下の2点です。
- 墓主が勝手にお墓じまいを決めてしまう
- 費用負担の問題
法律上は、墓主1人の判断でお墓じまいが可能です。
しかし、お墓じまいすると知らされた親族の中には、お墓の撤去に反対する方もいるかもしれません。
特に先祖代々墓の場合は、関わる人も多いため、注意が必要でしょう。
また、費用負担の問題もトラブルの原因になります。
お墓じまいは、まとまった費用がかかるため、お墓じまいに賛成してくれても、負担する金額に納得してもらえないケースがあります。
お墓じまいについて、事前に親族と話し合いをし、これらのトラブルを回避できるように努めましょう。
費用だけではなく納得できる供養方法を選ぶ
供養方法を選択する際は、ご自身やご家族の優先順位を明確にしましょう。
以下のように、選択基準は様々なはずです。
- 費用
- 故人を供養したい気持ち
- 墓石の有無
費用を第一に考えたいという方であれば、極力安い供養方法を選ぶのは正しいでしょう。
しかし、故人を供養している実感が欲しい方は、新たに墓石を購入するのが良いかもしれません。
また、お墓参りをしたいのであれば、墓地管理者に供養を任せるような永代供養は選べないでしょう。
供養方法によって特徴があるため、ご自身とご家族が最も納得できる方式を検討してください。
お墓の専門家に相談する
お墓じまいについて、一人で悩んでもなかなか解決しなければ、石材店などの専門家に相談してみてください。
専門家に相談すれば、新しい情報を得られて、最適な選択ができる可能性が高いです。
山崎石材工業でも、お墓の悩み全般のご相談を承っております。
たとえばお墓の建て替えを検討している方であれば、良い石材店と悪い石材店の見極め方などをお伝えできます。
お墓じまいやお墓の購入など、お墓に関わる選択は人生でそう何度もありません。
そのため、お持ちの知識や情報が少ないのは当たり前です。
お墓じまいで失敗したくない方は、石材店など専門家への相談も検討してみましょう。
まとめ
今回は、お墓じまいをしないと起こるデメリットや、お墓じまいの手順について説明しました。
お墓じまいをしないと起こるデメリットは以下のとおりです。
- 後継者がいなくなった場合に無縁仏になる
- 霊園の判断でお墓がなくなる
- 先祖が供養されない
また、お墓じまいの手順は以下のとおりです。
- 親族と話し合い同意を得る
- 管理者に連絡をする
- 供養方法と納骨先を決める
- お墓じまいの依頼先を決める
- 墓地がある自治体で必要な手続きを行う
- 閉眼供養をしてご遺骨を取り出す
- 墓石を撤去し更地にして返還する
お墓じまいをしないと、無縁仏になり、ご先祖様が適切に供養されません。
お墓も無くなってしまう可能性があるため、お墓じまいは必ず行いましょう。
山崎石材工業では、無料にてお墓のことをご相談いただけます。もしお墓じまいについて不明な点があれば、お気軽にご相談ください。